なぜワークフローが重要か
AIがコードを書けるようになった今、開発のボトルネックは「実装速度」から「意思決定の質」に移行しています。
Claude Code や GitHub Copilot を使えば、コードは高速に生成できます。しかし、「何を作るか」「どう作るか」の判断が曖昧なままでは、AIは間違った方向に全力で走り続けます。
ワークフローを整えることで、AIの能力を最大限に引き出しながら、人間が本当に価値を発揮すべきポイントに集中できます。
AIは実装の速度を上げる。人間は意思決定の質を上げる。この役割分担がワークフローの本質です。
Plan Stackメソドロジー
Plan Stackは、AI開発において「計画(Plan)」をコードと同じくらい重要なアーティファクトとして扱う手法です。
計画とは何か
計画は単なる設計書ではありません。AIとの協働に最適化された「意思決定の圧縮」です。
- コードベースの調査結果 — 実装前に分かったこと
- やること/やらないこと — 明確なスコープ定義
- 関連する仕様 — API契約、アーキテクチャ参照
- 予想されるリスク — 壊れそうな箇所、テストが必要な部分
なぜ計画をコミットするのか
計画をGitにコミットすることで、以下のメリットが得られます。
- レビューの効率化 — PRを見る前に意図が分かる
- 知識の蓄積 — 「なぜこうなっているか」が残る
- AIへの再利用 — 類似タスクで計画を再活用できる
設計から実装の流れ
1. タスクを明確に定義する
「ログインバグを直して」ではなく、「メール未入力時に authenticate() で発生する NullPointerException を修正」のように具体的に記述します。
2. AIに調査させる
Claude Code の Plan モードを使い、コードベースを探索させます。AIが何を発見したかを計画として記録します。
3. 計画をレビューする
AIが作成した計画を確認し、方針に問題がないかチェックします。ここで方向転換すれば、無駄な実装を避けられます。
4. 実装を委任する
計画を承認したら、AIに実装を任せます。計画があることで、AIは迷わず正しい方向に進めます。
5. 差分をレビューする
実装結果を計画と照らし合わせてレビューします。「計画通りか?」という観点でチェックすることで、レビューが効率化します。
計画なしでAIに「全部任せる」のは、行き先を伝えずにタクシーに乗るようなものです。
チーム開発での活用
計画ファーストのPRフロー
- タスク着手時に計画ファイルを作成
- 計画を先にPRまたはSlackで共有
- 方針の合意を得てから実装開始
- 実装PRには計画へのリンクを含める
知識の共有
計画ファイルをプロジェクトの docs/plans/ に蓄積することで、チームの暗黙知が形式知に変わります。新メンバーのオンボーディングにも役立ちます。
CLAUDE.md の活用
プロジェクト共通のコンテキスト(命名規約、アーキテクチャ、頻出パターン)は CLAUDE.md にまとめておきます。これにより、毎回の説明が不要になり、AIの出力が安定します。
ワークフローは手順ではなく、チームの「考え方」を揃えるためのものです。